住宅ローンの金利動向

「収入が減ったり、リストラに会ったとしても、自分には実家の相続という切り札があるから大丈夫」という人もいるかもしれないが、これも危険である。長男・長女だけの場合でも、仕事や生活のミスマッチで住み替えが上手くいかないケースのほうが多い。1人っ子でない場合は、兄弟姉妹問の相続争いもある。筆者は、相続に関するコンサルティングもしているが、財産の多寡にかかわらず相談事例の8割以上に何らかのもめ事がある。遺言をめぐって、裁判所に持ち込まれる係争にまで発展してしまうことも日常茶飯事だ。親が知らぬ間に借金を背負っていたり、友人の連帯保証人になって財産を無くしたなんて話は掃いて捨てるほど多い。自分では切り札だと思っていたカードが、まったく役に立たないこともあるのだ。読者は「そこまで考えなくても」と思うだろう。しかし、筆者はコンサルタント稼業です。いわば「問題解決屋」です。いかに計画を立てて破綻にいたった人が多いか、財産にまつわる悲劇を目の当たりにしてきた。人生はリスクに満ちている。常に保険を掛けてトラブルを未然に防ぐ対策を立てておくべきなのである。人は上手くいっているときに最悪の事態を想像することはない。そこに落とし穴がある。忠まれた人も稀にいるだろうが、それでも災厄が降ってこない保証はないです。自分の才能の将来性に自信がない人は、勉強したり、資格を取ったりすることを死ぬまで続けるべきだが、それと同時に駄日押しの「保険」も掛けておく時代なのである。収人というカード1枚だけでは不安だ。家賃収人も得られ、何にでも転用の効く「貸せる住宅」という切り札を持っておくことは、人生というゲームには不可欠といえます。住宅ローンの金利動向は、1番気になる要素のひとつだ。買い手としては、金利が低ければ同じ借入金額でも返済負担が軽くなる。相対的に収入の低い人でも購入できるようになる。需要が広がる。物件が売れる、不動産業界が喜ぶ。誰にとっても好ましい状況のように見える。その結果が「超低金利で住宅はいまが買い時」の大合唱だ。しかし低金利には、借金をして住宅を購入するリスクに対する判断力を、失わせる藩とし穴が待っている。借金をして購入した住宅は完全な所有権ではない。借金をして住宅に抵当権が付くことは、財産を失うことにつながるほど大きなリスクになるということです。リスク回避のために考えるべき順番は、借金のリスクをほかの収入で回避できるか否か。第二が借金の残高が売れる価格より少ないか否か。そして、ようやく三番目に金利の高低のレベルが来る。この順番を誤ってはいけないのです。